美大祭を勝手にランキング2018年

a1470_000015_m.jpg
今年も美大学園祭のシーズンが終わった。
今年は以下の5校を訪問した。

東京藝術大学
東京造形大学
女子美術大学(杉並)
武蔵野美術大学
多摩美術大学



俺が毎年美大祭に行く動機は、単純に芸術作品鑑賞が好きで個人的な趣味だからである。

だが今の美大生が現代社会や自己の内面に何を感じ、どんな作品を生み出すかということに触れること、
また己のアートに対する審美眼を高めることにおいて仕事の役に立つこともある。

つまり趣味と実益を兼ねているといえる。



今話題のフェルメールなどではなく無名な作品、
しかも学生作品における評価は究極的には個人の好き嫌いに行き着く。

「あなたはそう思ったんですね。私はそうは思いませんでした。以上」

という話でしかない。

それゆえ学生作品を個別に論評しても仕方ないという考え方もあるが
一方であらゆる芸術作品は他者らによって論じられることにより昇華するという側面もある。
それが嫌なら作品を表に出すべきではない。

展示スペースは限られていて、それは常に奪い合いの対象なのだ。
これはゲーム市場でも同じようなものだ。


あと今年は月に1本何かブログ記事を書こうと俺ルールで決めているためノルマをクリアしたいという兼ね合いもある。

なので無粋ではあるが俺の主観で優れていると思った作品をピックアップして
あえて順位をつけて色々書いてみようかと思う。



俺的勝手にランキングルール

・エントリーは上記5校の美大祭で展示されていた作品

・写真撮影不可と明記してあった作品は除外

・大学名のみ表示して作品名は基本伏せる(数百タイトルを撮影したのでいちいち記録してない)

・評価基準としてテーマ(作者の描きたいことや主張)とモチーフ(作品や物体そのものの造形)の二軸を重視


※画像はクリック、タップで拡大できます。




8位 東京造形大学
IMG_9682.JPG
タイトルは「猛暑」
モチーフは荒々しいタッチで描かれていて決して技巧として洗練されているわけではないが、今年の地獄のような暑さを見事に表現していると言える。
今年の夏は本当に暑かった。こういうタイムリーなテーマをいち早く作品化するセンスとスピードは今後このアーティストが経済的に成功していく上で大いに役立つであろう。そういう意味を込めて入賞とする。




7位 東京造形大学
IMG_9761.JPG
彫刻の部門からエントリー。ただの鉄塊を水に見立てた作品。木でシャツを作るとか、粘土で電話を作るとか、既存の概念ではない物質で何かを表現する、というのが彫刻部門の醍醐味ではある。だがその中でも鉄で水を表現するという本作品は動体と固体の極にある物質との対比もあり、センスが光る逸品である。




6位 多摩美術大学
IMG_0054.JPG
作品名は「風」
見えないものを描くというのは実は難しい。水を描けと言われて水のみを描いたのでは成立しない。必ずコップだったりが必要になる。
本作品はモチーフそのものの出来、画力や技巧がズバ抜けているわけではないが嵐の描写の躍動感を感じ取ることができる。
そして「風」を描こうとしたアーティストは滅多に見ないのでそういう個性、着眼点を評価したい。




5位 武蔵野美術大学
IMG_9849.JPG
モチーフは凡庸ではあるがテーマが秀逸。この構図と色彩だけで何を表現しようとしているのか理解できてしまうところが人間の認識能力の高さを再認識させられる。
本年度に限らず通年の美大祭において「企業ロゴの一部を切り取ってもどの企業かわかる」というような似たテーマを扱った作品が散見したが、本作品が最も普遍的かつ同テーマを最も鋭く表現した。よって入賞とする。(ちなみに分からないやついないよね?ドラえもんだよ)




4位 多摩美術大学
IMG_0012.JPG
テーマが秀逸。モチーフは特に秀逸。家族団らんのシーンを描いているはずが、そのキャラクターたちは人外ともいえる頭部になっている。シーンの明るさと対比して何とも不気味な絵に仕上がっている。
だがこの作品は認識論を訴えかけているのかもしれない。つまり人間以外の視点でみたら人間は誰しもこのように映っているのかもしれない。例えばペットの犬から見たら。





3位 武蔵野美術大学
IMG_9817.JPG
テーマが極めて秀逸。人の美意識に対する違和感のようなものを鋭く訴えている。
よく見ると片目だけメイクが施してあって、もう片方の目はメイク前のようにも見える。片方のランプしか点灯していない様も意味深である。
メイク中に「なぜ私は美しくないのだろうか」と激昂してガラスに頭突きして流血したようにも読み取れる。
美が評価される現代社会。一方で美を持たぬ者の苦悩。そういった現代社会に対する痛烈な批判を感じる作品である。




2位 武蔵野美術大学
IMG_9878.JPG
タイトル「麻痺してる日常」。
カイジなどで見る「ぐにゃぁ・・.・」みたいな精神状態を描ききった快作。
駅のホームというシーンのチョイスもテーマを描く上で有効に機能している。
過労自殺やブラック企業のような社会問題を批判しているようにも読み取ることができるし、このアーティストにはこの世がこの絵のように見えているのかもしれない。
また一歩間違えればホームに落ちてしまいそうな「死」というテーマすらも見事に表現されている。





1位 東京藝術大学
IMG_9545.JPG
プロレベルの画力によって成しえた、見る者を畏怖させるなんという禍々しさ。
展示部屋に入るとすぐ顔前にこの作品が飛び込んでくるが、頭をガツンと殴られたような衝撃を受けた。そんな作品は数年に1つと言っていい。

ぜひ本作品はクリックして拡大表示で鑑賞してほしい。

モチーフを細かく見ると蛇だったり6本指だったり、構図が仏教ともバリ島文化の邪神のようにも見えるが、正直テーマうんぬんはもはやどうでもいい領域に達している。プロレベルのモチーフによる力業により1位受賞とする。



総括すると毎年安定のレベルの高さを見せる多摩美、武蔵美は今年も健在という評価。
俺的評価において躍進したのは東京造形大学。過去数年で一番レベルが高い年であった。

女子美は今回取り上げられなかったが、
映像作品で日本文化をテーマにした極めて秀逸なものが1つあった。さすがに動画は掲載できず残念である。

一方で毎年王者の藝大は今年に限っては全体的に今一つだった。まあ期待値が高すぎたのかも。一過性のものだとは思うが。



以上


ゲーム制作 ブログランキングへ

にほんブログ村 ゲームブログ ゲーム制作へ
にほんブログ村
面白かったらポチっとお願いします


ブログトップページに戻る