キンコン西野とコンテンツの価格

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なんかキンコン西野氏が盛り上がっている。

概要は以下
http://www.j-cast.com/2017/01/20288650.html


で、それに対するネットの反応は
西野氏への人格攻撃とか感情論ばかりが先行してしまっている。

だが両者の議論の発端となった
「コンテンツの価格のありかた」については
業界にとって極めて重要なテーマなので
真面目に考えてみる。



まず双方がいう「無料」についてだが
何が無料なのかというと
ネットの登場によって複製コストと流通コストの2つが無料になったわけだ。

絵本そのものは"情報" "物質"を問わず
高いコストをかけて製造した商業作品なので
絵本の価値そのものは当然ある。


本記事作成時の西野氏のブログ引用>
無料公開することによって、より多くの人に届くし、買わない人も増えるだろうけれど、買ってくれる人も増えると思ったので。そして、計上されるのは、買ってくれる人の数だ。クリエイターの生活を支えるのは、買ってくれる人の数だ。知られないと買われない。Amazonや楽天の書籍総合ランキングが1位になり、本屋さんでもたくさん買っていただいたそうだ。これが全てだよ。


まさにプロデューサー視点の発想である。俺からすれば正しい。


本記事作成時の西野氏のブログ引用>
無料で見たい人は、もう、お金なんて要らないからインターネットで無料で見ればいい、と思っている。お金の奴隷解放宣言ね。


この発言は余計である。
お金がいらないというやつが市場を荒らしてしまったら
お金が欲しい人はやっていけないだろう。
この言い方だと不当廉売行為に該当すると突っ込まれても仕方がない。
不当廉売は禁止されている。



結論として
西野氏は独自のプロデュース論を述べていて
明坂氏は業界を俯瞰して見たクリエイター論を述べているため
両者の議論は根本的に噛み合わない。

まあすげえ端的に言うと以下である。

明「業界全体の価格(利益)を守るために抜け駆け的な値下げするな
西「うるせえ!俺が売るためにやることやって何が悪い!尼でも1位だぜ!

談合において最も利益を得るのは談合を破った人間である。



明坂氏が懸念したクリエイターの報酬低下の件だが
人によってそういうことも起こりうるかもしれないが
それでもクリエイターは別に死なない。
良いものを作れば生き残れるという構造は従来となんら変わらない。

西野氏も指摘しているようにミュージシャンはCDが売れなくなっても
ライブ活動などで生計を立てていける。

それは別に西野氏のせいではなく
時代の流れであるという指摘も正しい。



構造としてはこうなっていく。

クリエイター → 流通 → 消費者

クリエイター ← → 消費者


つまり死ぬのは流通の人たちで
彼らがみんなまとめてハローワークに行くことになる。



だから今回の騒動で違和感を感じたのは
明坂氏はクリエイターの立場でありながら
本質的には流通の意見を代表して述べていることにある。

クリエイター報酬の低下の可能性など微々たるものだ。
流通こそ壊滅的打撃を受ける。

クリエイターが流通を擁護するから話がおかしくなるのである。

彼女が優しすぎるのか、それとも構造をあまり理解していないのかは不明だが
立場上たいして関係ないのだから黙っていればいいのに。



あと議論にもあったが
みんながみんな今後西野になっていくかというと
実際問題そうはならない。

作家と流通・版元の力関係を忘れてはいけない。

西野氏は無料公開で書店も売れて喜ぶと書いたが
(本当に喜んでいるか疑わしいものの)
それは話題性のある西野氏だけの特殊ケースにすぎない。


紀伊国屋のamazon対抗措置のように
もし西野氏に触発された無名の作家が同じことをしたら
流通は普通にブチ切れる。

そして流通を怒らせたくない版元から
仕事を干されるのは間違いないのでやめといたほうがいい。



ちなみにうちには絵本(物質)がある。
クリエイターの人格と生産物は関係ないので
興味があれば買ったらいいと思います。良く出来てますよ。




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